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IUC#20打ち合わせメモ
日時:2005年7月8日(金)
場所:KEKBコントロール棟会議室
出席者(敬称略、順不同):
菊池、春日、三橋、宮島、白川、小川、生出、榎本、末武、設楽、小野、本間、
古川、柿原、佐波、横山、飯田、池田、佐藤(文責)
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(1) IUC工事報告(佐藤)

・7/4(月)から工事が始まり、今のところ順調に進んでいる。
今週の作業内容は(既に完了した項目も含む)、
・シールド解体・撤去、BH12下流シールド仮移動
・5-8 Unit撤去・架台移動
・ECS部第三ベンド光ポート付きダクトを第二ベンドダクトと入れ替え
・ECS横導波管架台移動(二ヶ所)
・現PF-BT測量・ダクト及びモニタ類撤去
・ケーブル類移動・保全
・KL_58撤去
・新PF-BTライン罫書き
など。

(2) 現PF-BT測量結果(菊池)

・7/7(木)に、現PF-BTの測量を行った。
QC1(U,D),QC2(U,D)とBH11_12間の床上基準座(M2) 5点についてみると、QC1(D)とM2を結ぶ直線が最もフィッ トがよく、この直線に対して65μm(rms)の精度で直線に 載っている。
上流側については、PB直下のマーク点(M1), QB1(U,D), QB2 (U,D), QB1(U)とM2の6点についてみると、
QB1(U)とM2を結ぶ直線が最もフィットがよく、この直線に対して横方向のずれは 0.5mm程度であったが、QB2は例外的に1mm程度横にずれて いた。
また、BH11とBH12の基準点とM2の関係は0.3mmの範囲内で矛盾がないことが確認された。
全体として、当初の予想よりもアライメント精度が良かった。

(3) 機器名称(古川)

・新PF-BTに設置する機器の名称については、以前のIUCにおいて(IUC#17, 2005年5月27日(金曜日)10:00-)
同一機器が複数の名称を持つことは致し方ないとの合意に達した。
(入射器の命名規則に則らない場合、上位のSoftwareをかなり書き直す必要がある。)
例えば、第三スイッチヤードはすべて61と呼んでいる。
案を示す(エクセルファイル参照)ので、意見があれば伝えて欲しい。
命名規則は、
**_61_XXなどとし、**はデバイスの種類、XXは、F1からF7までのビームライン区間を表す。
(F1,F2,..は、機器の種類が重ならないような区間を選んだ)
また、SC_61_F1,F2は、ダンプラインに同じ名称のスクリーンモニタが残るので、
ダンプラインの名称を、SC_61_D1,D2に変更する。

(4) Fast beam switch(古川)

・高速ビームモード切り替えの方式は、全体の方向性がまだ固まっていない。

・Micro-Research社製(http://www.mrf.fi/)のVMEモジュールが、昨年発売されるはずであった。
当初はこの製品の利用を目論んでいたが、Firmwareがまだ出来ていない(Hardwareは完成)ため、来年使えるかどうか不明。
このモジュールは、DIAMOND用にデザインされたが、SLAC(LCLS),LANL(Neutron source upgrade),SNS,Shanghaiなどが、Firmwareの要望を出している。これを受け、EPICS CommunityでFirmwareの使用を検討中である。(EPICS Device supportは主にSLACで開発。)
また、本ボードはVME64規格であるため、我々が使用する場合にはクレート・CPUに初期投資が必要。
さらに、クライアント側(サブブースタに設置)ボードがまだ完成していない。
(クライアント側ボードが間に合わない場合は、NIM moduleで代替システムを組むことも考えている。)
この製品を使うかどうかの最終判断は、PF入射ビームに関するtiming toleranceを決めて貰わないと検討が難しい。また、クロックを切り替えた場合に、長期安定動作するかどうかは、購入して試験することが不可欠。

・rf同期については、Spring8で測定された同期精度は2856MHzで0.2 deg.(Linac内での同期のずれ)である。
リングに対してどの程度ずれているかは測定されていない。
低周波数のノイズレベルが高く、単純にSpring8方式を我々のところで安定して動かせるかどうかは確証がない。

・もう一つの方法(レーザーを同期させる方法)については、Spring8サイドも興味ありとのこと。
・会社(2社)コンタクトを取っている。相当な試験が必要で、費用もかかりそう。
・数秒の切り替えで良ければ、ソフトを書き換えれば現ハードウェア構成でも可能であろう。
(大電力Kをスタンバイにするタイミング切り替えとrf位相の変更)

C) 来年夏にはパルスベンドが設置されるので、遅い切り替えを考える必要はない。
Fast switchのみを考えるべきである。

・Sprin8方式を用いた場合、クロックを頻繁に切り替える必要がある。
入射器の現RF測定系(VXI)が影響を受ける。但し、ゲートなどで対処は可能と思われる。
トリスタンで行っていた二重同期方だと大丈夫と思われる。
これは、昔検討されていたが、二重同期される確率が低いため、当初断念していた。
また、PFが周波数を振って、整数関係に近い(悪い状態だと)20Hzぐらいの禁止帯ができる。

C)どのくらいずらしているか?
=> 10kHz程度。1日スパンでは、連続的に1kHzほどずらしている。

=> 10Hzずらすと、軌道がずれる。20Hzであればそうとうずれるか。
==> ずらしている間は、入射しないなどの処置が必要。


(5) PF-BT 3.7GeV化検討(その3)(宮島)

・現状の設備では3.25GeVまで可能。
3.7GeVには、積分磁場1.38Tmが必要。
改造案は、下記の二案ある。(いずれの案も、Q磁石は変更なしで対応可)

(a) 偏向電磁石電源二台の改造
(b) 15台の電磁石Gap縮小・チェンバー改造
(予算的には、(b)の方が高くなる。)

・三次元磁場計算を、Gap 34mm(現状), Gap 28mmについて行った。
(鉄心材質は、磁極:SUYB, リターンヨーク:SS41とした)

C) x=0で勾配があるのはおかしいのではないか。

=> 間隔が荒すぎるかもしれない(5mm stepにしている)

C) Gap34の計算は現状のシムが入ったモデルか?
=> 入っていない。シムをきちんと入れて計算する。

C)一回の計算は?
=> 40分くらい。

(まとめ):
・積分磁場としては、どのモデルも1.38T以上は出せる。
・シムを最適化し、メッシュの切り方の影響を考慮する。

C) 3.7GeVは必要なのか?
=> 物理はほとんど3.5GeVだが、たまに3.7GeVの実験もやる。
正確には3.6(3.59)GeVである。

C) Qをオフセットさせて曲げるのは?
=> チェンバーの改造が必要である。


(6) 次回IUC

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IUC #21
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日時: 2005年7月15日(金曜日) 10:00−
場所: KEKBコントロール棟会議室
議題(予定):
(1) IUC工事報告(佐藤)
(2) 各サブグループ報告
(3) その他

(*) その他の議題をお持ちの方は、ご連絡下さい。
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