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IUC#29

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日時:2005年11月25日(金曜日)10:00-
場所:KEKBコントロール棟会議室
出席者(敬称略、順不同):飯田、小林、船越、三増、多和田、
菊池、佐波、三橋、本間、小野、小川、柿原、古川、佐藤(文責)

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(1) 運転関係 (三橋)
・最近、入射不調が二度あった。

● その1:11/23(水)の21:00入射
 直前に(30分くらい前)第三スイッチヤード入域(BT磁石冷却水量調整)したが、PF側へ連絡があったのは入射直前であった。

C) 入域作業はすぐに終える予定であったが、多少時間が掛かりRF位相が若干ずれた。
また、入射直前にクライストロン52(KL_52)がダウンし、エネルギーFBに使用するKL_51・KL_53へ変更した(通常、KL_51・KL_52)
 この後、エネルギーFBをOnにしていれば、もう少し早く入射できたと思われるが、エネルギーノブを微調しながら入射したため時間がかかった。
(FB Onにしなかったのは、その他にも変更手順が必要であると勘違いが合ったため)

● その2:11/24(木)の21:00入射(木曜メンテ後)
 BTでのビーム軌道が大きく蛇行し、入射できなかった。
軌道とエネルギーの関係が矛盾することから、メンテ中に磁石電源が落ちたことを疑い、
ベンドを初期化後した。その後、入射可能となった。

C) その時ビームはどのような状態であったか?
=> 坂の上あたりまでは、蛇行しながら通っていた。坂の上でロスっていた。(土盛りの方角へ)

C) PLCが落ちたことと、磁石が落ちたことは別問題。
=> 磁石電源側にラッチ機能がなければ、PLCが落ちると磁石も落ちるであろう。

C) 磁石が落ちたかどうか分からないのか?
=> その間PLCが落ちていたため、記録が残っていない。

C) PLC(真空)とPLC(Mag)が6A筐体の同じ100Vから取っていた。
電源落としたのは9時から9時半の間と思われる。

(結論)
・ PLCが落ちたらどうなるか?を調査する。
・ 入射に手間取ったら(10分程度)、すぐに職員を呼ぶ。
・ 入域作業時には、PFオペレータへその旨報告する。(作業開始前及び終了時))

(追記)
・PLCがoffされると、DAC出力が0Vとなり磁石が落ちます。
その後、PLCをOnすると、以前の値(今回の場合は、非ゼロの運転値)で励磁される。


(2) パルスベンド現状報告 (多和田)
・Window frame型である。

・鞍型のため、コイル上下非対称となり0.1mrad程度Vキックが出るが、
下流にVステアリングを設置するので問題ない。

・12月中旬入札予定

== 主なスペック ==
ピーク電流: 32 kA,
最大繰り返し: 25 Hz
パルス幅: 200 us
コイル:   1ターン
gap: 157 mm
gap高さ: 30 mm
最大磁場: 1.2217 T
最大電磁力: 1.7 t/m
ジュール発熱: 2.3 kW @ 25Hz
鉄損: 1 kW @ 25Hz
SUS端板の渦電流:約0.16kW @ 25Hz
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C) KEKBのセプタムもそんなに力が掛かるのか・
=> 約1/3程度である。

C) セラミックは衝撃に弱いが大丈夫であろうか?
=> ANSYSで計算した。
==> ANSYSでそのような計算は出来ないが?
==> 安全係数をいくつに取るかの問題。
==> セラミックは個体差がかなりあるので、気をつける必要がある。

C) コイルの固定はどうするか?
=> 磁石横からセラミックで引っ張る。

C) 絶縁は?
=> ポリイミド系を用いる。Radiationにも強い。

C) パルス動作では、DC的(不可に対してリニア)ではなく、
階乗で安全係数を考える必要があるかもしれない。

・ 25Hzで長時間運転できるか?という点は、
発熱が大きいため不安要素ではある。ファンで冷却が必要と思われる。

C) PF kickerでは、
 コアとセラミックダクトの冷却のために、隙間を空冷している。(磁石長は40cm)
コアの間に電極が挟んであり、その部分を空冷している。

C) 銅板を挟むのはどうか?但し、実績はないが。


(3) パルスベンド電源現状報告 (三増)
・入札は完了済み(ニチコン製)、

・'06/3月末までに納入し、加速器南実験室で試験・磁場測定を行う。
来年度、夏に搬入据え付け

== 主なスペック ==
peak-to-peak安定度: 0.1% (繰り返しを変えても)
最大繰り返し: 25-Hz (27kA未満)
*) 電流27 kA以上の場合は、25Hzでの電圧(電流が27kA)以下の範囲で
繰り返し周波数を選択可能。

スイッチング素子: GTO
*) サイリスタは、ドリフト(3us程度)と大きいため。

充電コンデンサ: 6回路
リアクトル部: 発熱3kW (空冷+水冷)
*) ライナックギャラリーの空調追加が無いように進める。

出力ケーブル数: 最大40本の同軸ケーブル(ギャラリー床に、新しい穴φ300mmを掘る)

冷却水: 20 L/min.
冷却方法:     水冷+冷却 (ギャラリー側からトンネルに向けて風を吹き込む)
制御: 光トリガー+横河のシーケンサ

インタロック関係:
電源内部ではnormal closeとする。
電磁石関係: 温度異常、冷却水
パトライト(電磁石、電源本体)を据え付け。
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C) アースは?
=> 独立したアースを引いてくる。

・セラミックチェンバ:
京セラ製。長さ、1200mm。
フランジは、ICF152フランジ(下流側)及び特殊フランジ(上流側)を使用する。
特殊フランジは、角型フランジである。
装着は、(鉄が一体となっているため)下流から挿入し、上流のフランジは挿入後に装着する。

C)シール材は?
=> ヘリコフレックスを使用する。

(4) PF-BT ファッジファクタ(飯田)
・Linac modeで、Qをstudy用の設定にしてファッジの測定を行った。
Energy knobを変えてBPMレスポンスを測定し、Dispersion測定した。
(3台のQはすべて同じファッジファクタを持つことを仮定した。)

・Opticsは、8電極BPM位置でDispersionがゼロとなるようにした。(運転用Opticsと異なる)

・結果は、Dispersionの計算値・測定値が一致するような、QM(3台)に共通のファッジの解がない。
上流二台(QF_61_F1, QD_61_F1)と、QF_61_F3が別のファッジとなるよう計算すると、
F3のK値がconsistentでない (負になる)。

・ BPMの内、mappingを反映させてcalibrationしている物は、上流の一台のみ(SP_61_F1)である。
(その他は、モデル計算の結果が入っている。)
但し、calib.は +-5 mmの範囲内でしか保証されないので、この範囲内にて詳細な測定を行いたい。

C) PF Study時に、下流のBPMすべて使ってレスポンス測定すれば良いのでは?
PF study打ち合わせで提案すれば、可能性がある。

(5) その他

・第三スイッチヤードのクレーン(10t)コントローラを無線化する件。
来年夏メンテ初頭までに実施する方向で動いている。

・IUC工事関係の論文を出した方が良い、との提案があった。

C) citeする論文がないと不便なので、合った方が良い。
とりあえず、EPAC'06などに出してはどうか?


C) PFのTop-upは、何Hzで行うか?
=> 5 Hz或いは10 Hz程度であろう。
1 Hzだと、光量の変動で厳しい。

(6) 次回IUC
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IUC #30
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日時: 2005年12月9日(金曜日) 10:00−
場所: KEKBコントロール棟会議室
議題(予定):
(1) 各種報告等
(2) その他

(*) その他の議題をお持ちの方は、ご連絡下さい。

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