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IUC#31
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日時:2006年1月20日(金曜日)10:00-
場所:KEKBコントロール棟会議室
出席者(敬称略、順不同):
飯田、三橋、小林、小川、菊池、紙谷、多和田、
船越、三増、榎本、佐波、高橋、柿原、小野、横山、
古川、佐藤(文責)
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(1) 立ち上げ概況など(佐藤)

(a) 立ち上げ概況
・1/16(月)のPF入射立ち上げは、比較的順調であったが、小さな問題が二点生じた。

(a-1) Kicker timing異常。
Kicker timingが正しくなかった。
Kicker timingを光で送信しているが、E/Oモジュール上流にある、NIM/TTL Gate moduleの
極性用DIPスイッチが間違っていた。(何故間違っていたかは不明。調査する。)

(a-2) 入射開始時に電荷量が多い。
 昨年の夏メンテ時、CT電子銃のカソードを交換したが、電荷量がドリフト的に減少するため、
定期的なバイアス調整を必要とした。
このため、冬メンテ時にさらに違うロットのカソードへ交換したが、入射開始時に電荷が多めに出る(0.15-nc程度)
状況が続き、入射率が不安定になる事があった。1/18(水)準夜には(19:00頃)、ほとんど入射不能となった。
 1/19(木)朝、CT電子銃下流の90度ベンド(BM_CT_G0)の電流値を、スクリーンモニタ(SC_CT_G1)のビーム位置を
見ながら調整したところ、安定になった。
(*) 結論としては、立ち上げ時に上記ベンドの調整を行った方がよい。

(b) 第三スイッチヤードスリット
・前期運転では、ビーム入射時にPF ring (Vertical wiggler)での放射線量が高いという問題があった。
昨年12月初旬のマシンスタディで、第三スイッチヤードのスリットを試験的に閉じて線量測定を行ったが、全く変化が無かった。
 これを受け、入射エラーを低減させる為に、Septum位置を5-mm程ずらし、さらに鉛シールドを強化した。
この結果、上述の線量問題は解決された。
 
C) Top-up時に、どの程度の電荷が必要とされるのか?データを元に議論すべき。
=> 次回IUCで報告してもらう。

C) Ringでの線量は軽減されたが、スリットを閉めて、BTでの線量を減らしたい。
(現状で、問題のあるレベルという訳ではないが、減らせるのであればしめた方が良い。)
=> データを元に議論すべき。
==> スリットを閉める時に、同時にデータを測定する。

(c) マシンスタディ
・3,4月に、Crab cavity installのためKEKBが停止する。
その間、ライナックのマシンスタディを集中的に行う予定である。
主な項目(思いつく物)は、下記の通り。
その他の提案がありましたら、佐藤までお知らせ下さい。
 また、3月20日(4リング全ての停止期間)以降一週間ほど、
ライナックの運転を停止する予定。

===== スタディ項目(案)
(1) A1-gunよりPF ring入射(二重同期モジュール使用) 2/20 (3月? ) 3/6
(2) PF-BT下流でビーム観測(ストリークカメラ)
(3) 共通Optics Study (PF/ KEKB e-)
(4) Multi-Energy Linac Scheme検証(再)
(5) Multi-Energy Linac SchemeでのOrbit Correction
(6) e+ 穴あきターゲットStudy
(7) PF/BT Q-Mag.のFudge Factor測定
(8) Quad-BPM
(9) PF-BP 8電極Calibration (Jq offset)
(10) C-band加速試験(4月)
(11) 3-bunch加速
(12)J-Arc CSR
(13) CNT電子銃試験
(14) RF関係作業
(15) Etc.
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(d) EPAC投稿
・今のところ、下記二点を申し込みました。
(1) Upgrade全般: 佐藤+IUC
(2) デザイン: 飯田、菊池

その他、提出可能な項目がありましたら、申し込んでください。


(2) PF用Linac modeでのBeam調整(飯田)

・PF用Linacビームの調整を行った。(紙谷、横山、飯田)

・Linac 5セクター下流におけるステアリングで、電流値の高い物がある。
このため、5セクターステアリングを全て0Aにした後、起動補正を行った。
(可能な限りSX_5x_1を利用し、SX_5x_3の電流値が小さくなるようにした。)

・次に、BM_58_1へ角度0で入射する様に調整した。
(BM_58_1を0Aにし、下流BPM及SCに於いてビームが中心を通るようにした。)
Screenの中心を通した方が、WSでのノイズが少ない様だ。

・Injection modeでのビーム調整は、Ringの入射率を見ながらLinacのエネルギーを3 MeV <=> -5 MeV振った、
元のエネルギーが最も入射率が高かった。

(3) セラミックチェンンバ(三増)
・最終仕様が固まった。
セラミックチェンバの取り付けは、磁石下流側から挿入し上流フランジを装着する。
(割金具を左右から装着し、その周りを止め金具で固定する。)

C) この構造で、応力に耐えられるか?
=> IR用に、同等な構造の物を使用している。

C) シール材は?
=> Radiationが高いため、ヘリコを使用する。
デルタ型を使用する(弱い力でつぶれる。約三トンの力でつぶす。)

・止めねじは、M8x18本を使用する。
加重量は、188.5kg/本(=3.75kG/mm^2=36N/mm^2)となる。
荷重計算を行った結果、大丈夫であろう。

・遊びがあるため、隣接フランジとの接合時の設置誤差は、最大0.8-mmとなる。

C) 横方向の余裕は?
=> Vertical 8.5-mm、Horizontal +-7.5-mmである。

C) ビーム調整時など、(5-Hz程度ではあるが)セラミックにビームを当ててしまう可能性がなきにしもあらず。
大丈夫か?
=> 上流にmaskが有ったほうが良いかもしれない。
しかし、8-GeV beam(KEKB e-)を考えると、大がかりになる。

C) 設置場所のHorizontal betaは?
=> 10-m程度。Waistになっている場所である。

C) コーティングは?
=> メタルで行う。

(4) BM_58_1(振り分けベンド)電源改修(紙谷)
・以前の電源は、電源ON後、ドリフトがあった。
電源のシャント抵抗を、特性の良い物に変えた。
ドリフト変動としては、0.02%となった。


(5) 次回IUC

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IUC #32
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日時: 2006年2月3日(金曜日) 10:00−
場所: KEKBコントロール棟会議室
議題(予定):
(1) 各種報告等
(2) その他

(*) その他の議題をお持ちの方は、ご連絡下さい。

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