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IUC#39
日時:2006年7月14日(金曜日) 13:30-
場所:3号館7階会議室
出席者(順不同・敬称略):春日、菊池、多和田、大西、
小川、紙谷、榎本、坂本、飯田、三橋、小林、船越、
柿原、白川、三増、宮島、佐藤
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(1) パルスベンドの現状 (多和田)

(1-a) 概要:
・KEKB septumと同様な構造(コイル保持の構造)
・端板SUS、ヨークは溶接。
・コイル固定は問題なさそう。
・目標磁場値は達成している。

C) Gapはいくつか?
=> 30-mm

(1-b) 問題点:
・端板部の発熱:
 27kA, 25Hzの条件で、10分後に60℃程度まで上がる。
(10分しか試験していないのは、電源改造前のため。電源内部発熱問題のため、これ以上長時間はもたなかったため。)

C) 何度以下なら良いのか?
=> 通常、60℃とか80℃以下で使用している。(エポキシ自身は150℃くらいまではもつ)

(対策) 端板SUS珪素鋼板の間に挟んだ銅板(5-mm)の外側に、冷却バーを取り付ける。

・コイル取り回し部の磁石上部の温度上昇:
(対策) ブスバーを鉄心から遠ざける。さらに、銅板で覆い、水冷する。

・電磁石振動によるセラミックダクトの振動が懸念される。
(架台の端で振幅0.6μm@27kA程度)

C)セラミックチェンバーのアライメントが厳しくないなら、緩衝材を入れるのはどうか?
周波数によっては、かなり抑制可能である。
=> マグネットとの間には、1-mm程度隙間がある。

C) 磁石の振動で、留め具がゆるむようなことは無いか?
=> 大丈夫であろう。但し、長時間試験したあとに注意して見る必要がある。

C) コアの発熱は?
=> 問題ない。

C) コアは、無方向性か?
=> 無方向性である。


(2) パルスベンド電源の現状 (三増)

・主な問題点等は下記の通り。

(2-a) ピーク電流の安定度 (仕様0.1%以下)
・当初、仕様を満たしていなかったが改良された。
繰り返しを一定にした場合は、0.06%弱。
繰り返しを変えた場合、0.1%程度。

・タイミングジッタの発生:
 10回に1回程度、250ns(パルス幅は250us)飛ぶ。
このジッタ起因するパルス振幅エラーは十分小さいが、
長期運転時には、何らかの障害原因となりうるため、原因を究明する予定。

(2-b) 長時間運転時の発熱 (サイリスタ、スナバ抵抗部)問題。
・サイリスタ・スナバ抵抗にはファンを取り付けた。(下からファンで冷却する。)
後日、長時間運転試験を行う。

C) 水冷は?
=> していない。

C) 電源の消費電力は?
=> 22, 23kW

C) すべて空冷か?
=> 空気を冷やすために水冷している。

C) 空気の循環は?
=> 電源筐体内で循環している。外には出ない。

C) 水冷にしなかったのは?
=> この様な発熱は、想定外であった。(仕様上は、自冷でOKのはずだった。)


(3-c) ダイオードの大量故障:
・ダイオードは、12個直列、4パラで使用している。試験中、半分以上破損した。
1個壊れると、雪崩式に他も壊れやすい。(他のダイオードに、耐圧以上の電圧がかかりやすくなるため)
壊れたときは、耐圧以上に電圧がかかっていた。 インタロックの整備も検討中である。

C) 一個当たりの耐圧は?
=> 1.2kVである。


(3) セラミックチェンバの現状(三増、菊池)

・Mn-Mo(2〜5um厚)コーティングを施した物を試験したが、発熱が問題となった。(1kW-2kW)
 また、メーカーから輸送中、破損事故が起こった。

・発熱問題に対処するため、Tiコーティングに変更を検討している。
これにより、発熱は1/10程度になる見込み。しかし、R&Dの必要がある。
蒸着源として、Ti-Moワイヤを使用する。(1200mmまではOK。1260mmは確認中)
 コーティング試験は、約一ヶ月を予定している。

・蒸着源が一本しか入らないので、膜厚のばらつきが生じる可能性あり。

C) PFでは、複数本入れてやった経験あり。
=> 確認する。

C) Mo-Mnは化学蒸着か?
=>そうである。


(4) その他
C) 当初、パルスベンドの設置を、冬期メンテに予定していたが、今後のスケジュールをどうするか?
=> 現状の問題点をクリヤし、かつ予備品が揃った後に、万全の体制で運用開始する方が良いであろう。
==> 電源の重要な部品に関しては予備があるが、セラミックチェンバ・磁石本体の予備をどうするか?
===> 残りの予備品については、来年度の入射改善予算要求する必要有り。

(結論)
・パルスベンド設置は、来年夏を目標とする。(今期、冬メンテ中の設置はスキップする。)

C) 電子・陽電子の切替を、パルス毎ではなく、例えば1秒程度で行うのはどうか?
=> 全リングが定常運転時は問題ないが、KEKB/PF両リング共ゼロカレントから蓄積する様な場合には、厳しいであろう。
==> 今後、具体的な検討を進める。

(5) 次回IUC

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IUC#40
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日時: 2006年11月1日(水曜日)  13:30- (いつもと曜日・時間が異なります!ご注意下さい!)
場所: KEKBコントロール棟会議
議題:
(1) フラックスコンセントレータ (紙谷)
(2) その他
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