FROL02  電子加速器  8月7日 大ホール 10:30 - 10:50
可搬型XバンドライナックX線源の社会・産業インフラ診断推進―3.95MeV初の管理区域外使用と950keVによる動画像診断―
Achievements of on-site inspection of social and industrial infrastructures by 950 keV/3.95 MeV X-band linac X-ray source –First on-site use of /3.95 MeV and Dynamic Inner Inspection by -950 keV
 
上坂 充,○橋本 英子(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻),草野 譲一((株)アキュセラ),土橋 克広,矢野 亮太,關 義親(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻),藤原 健(産業技術総合研究所),田辺 英二((株)アキュセラ),大矢 清司,服部 行也((株)日立パワーソリューション),三浦 到((株)三菱化学)
Mitsuru Uesaka, ○Eiko Hashimoto (University of Tokyo), Jyoich Kusano (ACCUTHERA Inc.), Katsuhiro Dobashi, Ryota Yano, Tomochika Seki (University of Tokyo), Takeshi Fujiwara (AIST), Eiji Tanabe (ACCUTHERA Inc.), Seiji Ohya, Yukiya Hattori (Hitachi Power Solution Ltd.), Itaru Miura (Mitsubishi Chemical Ltd.)
 
950keV/3.95MeVXバンド(9.3GHz)ライナックX線源の開発を完了し、化学工場での硝酸蒸留塔の内部構造の検査に成功したところまで2年前口頭発表した。その後原子力技術開発イニシャティブとJST震災復興促進プログラムに採択されて、それぞれ高エネルギーX線検査専用SiシンチレータX線カメラの開発、950keVシステム構成の改良と利用促進を行っている。後者に関し、X線発生ヘッドと高周波源ボックスを、頑丈な立方体フレームに入れて、その操作性と信頼性を向上させた。結果、酷寒暴風雨深夜の化学工場桟橋の鉄筋コンクリートの内部構造検査、構造強度評価、修復方策達成に成功した。高周波加速器システムとしては画期的実績である。また国土総合技術政策研究所の委託研究にて実機橋梁試料のベンチマーク試験に参加し、内部鉄筋の撮像に成功した。現在狭隘な現場での、限定された方向からの透視データとTomosynthesis法による内部形状補正、部分角度CTの技術も確立中である。これによる、ハード(X線発生と検出)・ソフトの総合的システムが完成される。今年度いっぱい国内の社会・産業インフラの試験の実績を積み、来年度は海外進出を計画している。950keVシステムでの実績と知見はすべて3.95MeVシステムに反映される。最新の結果を紹介する。