FROM05  光源加速器1  8月7日 あいあいホール 11:30 - 11:50
複合位相アンジュレータ磁気回路による吸引力自己相殺
Phase combination for self-cancellation of magnetic force in undulators
 
○金城 良太,田中 隆次(理研 放射光センター)
○Ryota Kinjo, Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
アンジュレータの磁石列間に働く力を作用点である磁石列近傍で打ち消すことができれば、機械構造を顕著に単純化し製作や設置の期間やコストを大幅に削減することが可能となる。今回我々は、本質的に吸引力の働かない複合位相アンジュレータ磁気回路を考案した。複合位相アンジュレータ磁気回路においては、上下のそれぞれの磁石列はいくつかのセクションに区切られ、半分のセクションはもう半分に対して特定のルールに従って電子ビーム方向の位置(位相)がずれている。これによりアンジュレータ磁場の周期性を損なうことなく、それぞれの磁石列に働く上下方向の力をセクション間の左右方向の力に変え磁石列間に力が働かないようにすることが可能となる。数値計算によって、ギャップと周期長の比が1/18という非常に狭いギャップ領域まで、吸引力をハルバック型磁気回路の1/50以下に抑えられることがわかった。年会ではこれらの計算結果及び吸引力の微調整手法について発表する。