FROM08 加速器土木・放射線防護2 8月7日 あいあいホール 13:40 - 14:00 |
ILC北上候補サイト周辺の高感度地震観測網Hi-netに併設された高感度加速度計による地盤変動の把握について |
A study of underground behavior around the Kitakami candidate site for the ILC with ground tilt data at the high sensitivity seismograph network (HI-NET) stations |
吉岡 正和(東北大学),山下 了(東京大学),佐貫 智行(東北大学),汐見 勝彦(防災科学技術研究所),○関根 一郎(戸田建設株式会社) |
Masakazu Yoshioka (Tohoku University), Satoru Yamashita (Tokyo University), Tomoyuki Sanuki (Tohoku University), Katsuhiko Shiomi (NIED), ○Ichiro Sekine (Toda corporation) |
兵庫県南部地震以降、高感度地震観測網(Hi-net)の観測点が防災科学技術研究所により全国に整備されている。国際リニアコライダー(ILC)の北上サイト候補地周辺には、藤沢、陸前高田、住田、東和等の観測点が建設されている。これらの観測点では地下100mに地震計と地震計の設置状況を把握するための高感度加速度計が設置されている。この高感度加速度計による地盤傾斜データは長期間にわたり計測されており、サイト周辺の地盤の長期的な微小な変動を把握する一つのデータとして有効であると考えられる。 本文では、東北地方太平洋沖地震の前の3か月と後の3か月について、これらの観測点における傾斜データを調べた。その結果、地球潮汐の影響を捉えた精度のいいデータが得られ、地盤含水状態変化の影響、台風などによる風雨による地盤振動の影響を捉えた精度のよいデータが得られた。周辺ダムの貯水量の影響も明らかになり、それらの影響を除外した上で長期的な傾斜変化の傾向を捉えることができた。また、最大傾斜角と国土地理院のGPS観測による地表変動を比較した結果、地下100mの傾斜観測点は地表の変動とほぼ連動して動いていることが明らかになった。 |