FROM11  光源加速器2/粒子源  8月7日 あいあいホール 14:50 - 15:10
SACLAにおけるマルチビームライン試験運転の現状
Multi-beamline operation test at SACLA
 
○原 徹,稲垣 隆宏(理研 SPring-8センター),田尻 泰之(スプリングエイトサービス),渡川 和晃,金城 良太,武部 英樹(理研 SPring-8センター),深見 健司(高輝度光科学研究センター),近藤 力,大竹 雄次,田中 均(理研 SPring-8センター)
○Toru Hara, Takahiro Inagaki (RIKEN SPring-8 Center), Yasuyuki Tajiri (SES), Kazuaki Togawa, Ryota Kinjo, Hideki Takebe (RIKEN SPring-8 Center), Kenji Fukami (JASRI), Chikara Kondo, Yuji Otake, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
SACLAでは2014年9月に2本目のアンジュレータビームラインBL2の設置が完了し、2本のビームラインを用いたマルチビームラインの試験運転を開始した。BL2設置当初は、加速器出口にあるDC偏向電磁石を用いてBL2とBL3の2本のビームラインを切り替えていたが、2015年1月にDC偏向電磁石をキッカー電磁石とDCセプタム電磁石に置き換え、電子バンチ毎に2本のビームラインへ振り分けることが可能になった。 BL2のコミッショニングは2015年1月より開始し、電子ビームやアンジュレータのパラメータ調整、バンチ振り分け試験などを経て、約150μJのレーザーパルス出力が得られている。キッカー電磁石パルス励磁に伴う軌道変動についても測定し、問題がないことを確認した。ただBL2へは電子ビームを3°偏向させて輸送するが、偏向部におけるCSR効果が無視できないことが判明した。これはSACLAが、設計値よりも大幅に高い10 kA程度のピーク電流で現在運転されていることに起因する。短バンチ、大ピーク電流運転は、レーザーパルス出力や利用実験の面からはメリットが大きく、またSACLA加速器の安定性を示すものではあるが、偏向部を含むビーム輸送に対しては非常に厳しい条件であり、BL2ではピーク電流を下げて現状運転している。本発表では、SACLAで行っているマルチビームライン試験運転の状況について報告する。