FSP014  施設現状報告ポスター  "8月5,6日" 小ホール 13:00 - 15:00
京大炉中性子発生装置(電子ライナック)の現状
Status of KURRI-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,堀 順一,窪田 卓見,阪本 雅昭,高見 清(京大原子炉)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Jun-ichi Hori, Takumi Kubota, Masaaki Sakamoto, Kiyoshi Takami (KURRI)
 
1965年3月の建設開始から50年を経過した京大炉ライナックの2014年度の運転時間は2,179.0時間であり、前年度達成しなかった2,000時間を越える運転が行われた。運転時間増加の理由は終夜連続運転の実験の増加である。一方、利用件数は、中性子実験13件、電子線照射20件、X線照射7件、放射光実験9件で、保守等を含む総計では55件と前年度を下回った。そのうち定格30MeV未満の低エネルギー実験は16件であった。 また、主な改造としてサイラトロンショット数カウンタの設置とサイラトロンドライバーの改修を行った。サイラトロンショット数カウンタはサイラトロンの寿命予測に活用する目的であり、ビーム繰り返し数の変更が多く範囲の広い京大炉ライナックでは運転時間での寿命予測が困難であるためである。クライストロンの電圧モニター波形を用いてカウントを行い、設置から約10ヶ月後の積算はNo.1が約3.9億回、No.2が約3.8億回で、平均ビーム繰り返し数はNo.1が82.1回、No.2が87.4回であった。サイラトロンドライバーの改修は前回の報告に引き続いて実施した。目的はパルス発生後の振動の更なる抑制である。対策としてパルス生成コンデンサの容量減と、高圧電源のコンデンサ容量増、FETドレイン抵抗の増加を行った。結果、目的であるパルス発生後の振動は抑制された。パルスの矩形は若干崩れたが問題ない範囲である。改造後は現在までトラブル無く順調に稼動している。