THOL07 ハドロン加速器2/高周波源 8月6日 大ホール 11:10 - 11:30 |
Xバンド大電力3ポートサーキュレータの設計・製作 |
DEVELOPMENT OF AN X-BAND 3-PORT CIRCULATOR |
○金田 健一,水島 弘二,草野 譲一,田辺 英二(株式会社エーイーティー) |
○Kenichi Kaneta, Hiroji Mizushima, Joichi Kusano, Eiji Tanabe (AET Inc.) |
SF6加圧ガス仕様の大電力3ポートサーキュレータの開発を行った。サーキュレータは発信源を安定動作させアーキングから保護するための安全装置として用いられる。本装置はピーク電力300kW、平均電力300WのX-band定在波型加速器システムに使用する。 本サーキュレータは放電を抑えるためにフェライト間隔を広げ、非線形効果を避けるためにAbove Resonanceで設計している。具体的にはフェライト部の導波管の高さ12.6mm (WR-112)を維持し、その導波管上下に厚さ1.5mmの円柱フェライトを貼り付けた。また、強力な外部磁場を発生させるためにネオジウム磁石を使用した。通常フェライト近傍のインピーダンスを低くすることで広帯域なサーキュレータを設計するが、あえて電界強度を下げる構造に設計した。VSWR1.1以下の帯域は40MHzとなるが、狭帯域である加速器等の装置で使用する限り問題ない。フェライトは温度依存性があるためCalcium, Vanadiumドープのフェライトを選択し、挿入損失を0.1dB以下とした。またフェライト上面の導波管を直接水冷している。 動作周波数9.3GHz、ピーク出力1.1MW, 平均出力1.1kWのマグネトロンを使用した大電力試験で問題なく稼動することを確認した。またショートプランジャーを用いた負荷側が完全反射した場合の大電力試験も実施している。本論文ではシミュレーション結果から設計製作、大電力試験について報告する。 |