THP009 ハドロン加速器 8月6日 小ホール 13:00 - 15:00 |
KEKデジタル加速器における可変誘導電圧を用いた加速システム |
Acceleration system using time-variable induction voltage in the KEK digital accelerator |
○由元 崇,劉 星光(東京工業大学),安達 利一,川久保 忠通(KEK),小林 寛(東京都市大学),高野 進,門倉 英一,岡村 勝也,池田 光男,高山 健(KEK) |
○Takashi Yoshimoto, Xingguang Liu (Titech), Toshikazu Adachi, Tadamichi Kawakubo (KEK), Hiroshi Kobayashi (Tokyo City University), Sususmu Takano, Eiiichi Kadokura, Katsuya Okamura, Mitsuo Ikeda, Ken Takayama (KEK) |
KEKデジタル加速器とは、既存の高周波加速とは異なる誘導加速を導入したシンクトロンである.1対1のパルストランスである誘導加速セルに発生するパルス電圧を用いて加速する。誘導加速の利点の一つである広帯域加速は、200kVプラットフォーム上のECRイオン源で生成された重イオンビームをリングに直接入射・加速させることを可能にする。誘導加速セルを駆動するスイッチング電源のゲート回路のON/OFFはFPGAからのデジタル信号によって行われる。その制御においては一定の誘導加速電圧を使用したパルス密度制御を採用している。しかしながら、誘導加速セルの設置区間において有限な運動量分散関数が存在し、低エネルギーにおける離散的な加速においては、シンクロベータカップリングによるビーム中心の振動励起が観測されている。その振動を緩和するために、ビームが必要とする加速エネルギーに等しい可変誘導電圧を発生させる誘導加速システムが新たに考案されている。この方式はビーム縦密度分布の均一性にも寄与しうる。本発表では、その具体的なシステムの詳細を粒子シミュレーションとともに報告する。 |