THP013  ハドロン加速器  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
OISTホウ素中性子捕獲療法(BNCT)用陽子リニアックの開発
Development of a proton linac for OIST BNCT
 
○近藤 恭弘,長谷川 和男(JAEA),吉岡 正和,東 保男(OIST),黒川 眞一(COSY Lab),松本 浩,内藤 富士雄(KEK),熊田 博明(筑波大学)
○Yasuhiro Kondo, Kazuo Hasegawa (JAEA), Masakazu Yoshioka, Yasuo Higashi (OIST), Shinichi Kurokawa (COSY Lab), Hiroshi Matsumoto, Fujio Naito (KEK), Hiroaki Kumada (University of Tsukuba)
 
沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、加速器を用いたホウ素中性子捕獲療法(BNCT)装置の開発計画されている。本研究においては、いばらき中性子医療研究センターにおけるBNCT用リニアックからの知見をもとに、医療用機器としての量産型のパイロットモデルの開発を目標とする。加速器の性能は、中性子生成ターゲットでのビーム電力40kWを想定している。ビームエネルギーは、10MeV程度であり、必要な熱外中性子と、それ以外の、高速および熱中性子、ガンマ線との収量比を最適化するように最終的には決定される。エネルギー10MeVとすると、ビーム電流20mA、デューティー20%で40kWが実現可能である。リニアックの構成は、ECRイオン源、2ソレノイド型LEBT、4-ヴェーンRFQ、アルバレ型DTLと、これまでの開発実績から、十分に枯れた技術を用いる。RFQおよびDTLの共振周波数は、352MHZ程度を予定している。医療用機器においては、十分な信頼性と、加速器の非専門家による容易な運転が要求され、加速器機器の中でも複雑な構成となる大強度陽子リニアックにおいて、これらを達成することも、重要な開発目標となる。本論文では、この、BNCT用陽子リニアックの開発状況について述べる。