THP024  ビームダイナミクス、加速器理論  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
KEKデジタル加速器に見られるシンクロベーター結合のコヒーレント運動
Coherent Synchro-Beta Coupling in the KEK Digital Accelerator
 
○門馬 卓海(東工大、高エネルギー加速器研究機構),高山 健(東工大、高エネルギー加速器研究機構、総研大、東京都市大),由元 崇,Liu Xigguang(東工大、高エネルギー加速器研究機構)
○Takumi Monma (Tokyo Tech., KEK), Ken Takayama (Tokyo Tech., KEK, SOKENDAI, Tokyo City University), Takashi Yoshimoto, Xigguang Liu (Tokyo Tech., KEK)
 
円形加速器において周回当たり必要な加速電圧は、Vacc=ρC0dB/dtとかける。ここで、ρ、C0、Bはそれぞれ、偏向磁石の曲率半径、ビーム周長、磁束密度である。KEKデジタル加速器[1]のガイド磁場は正弦的に立ち上がるので、理想的なVaccはサイン関数の半周期分である。しかし、誘導加速システムの工学的な制約により出力される設定加速電圧はつねに1.5kVと2.0kVの間で一定の値をとる。電圧Vaccを積分した値が設定加速電圧に達すると加速電圧パルスを発生する。加速電圧パルスは明確にプログラムされたパルス密度関数に基づいて離散的に生み出される[2]。誘導加速セルは運動量分散関数がゼロでない領域に置かれている。このため、必然的に加速電圧パルスが生成されると、ビーム重心のベータトロンが誘起されることが、加速の早い段階で報告されている。定量的にこの現象を計算機シミュレーションで再現する。加えて、この効果を無くす手法、または最小化する手法について議論する。 [1]K. Takayama et al., Phys. Rev. ST-AB 17 (2014) 010101. [2]T. Yoshimoto et al., submitted to Nucl. Inst. Meth. (2015)