THP070  加速器技術/電磁石と電源  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARC主リング直線部四重極電磁石のためのNPCチョッパの開発
DEVELOPMENT OF NPC CHOPPER FOR QUADRUPOLE MAGNETS AT STRAIGHT SECTION IN J-PARC MR
 
○森田 裕一,栗本 佳典(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),下川 哲司,三浦 一喜(高エネ研),Jang Younghoon(Dawonsys)
○Yuichi Morita, Yoshinori Kurimoto (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering), Tetsushi Shimogawa, Kazuki Miura (KEK), Younghoon Jang (Dawonsys)
 
J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)の主リングでは、ニュートリノビームラインへのビームパワーを増強するために運転周期を現状の2.5秒から1秒へ速める。この計画では高繰返し化に伴う主電磁石電源の出力電圧の増加が問題となる。さらに、ハドロンホールへのビームの性能向上のために出力電流の低リップル化が求められている。我々は主電磁石用電源を新たに開発し、これらの課題を解決する。その中でも、直線部四重極電磁石用電源の構成要素の一つにNPC(Neutral-Point-Clamped)チョッパを採用する予定である。広く使用されているフルブリッジチョッパでは、バンクコンデンサの充電電圧がそのまま1つのスイッチング素子に印加されるのに対して、NPCチョッパでは半分の電圧に抑えられるので高い出力電圧を実現できる。さらに、中点をグラウンドに固定することにより出力電流のコモンモードノイズを抑制できるので出力電流リップル抑制に有利である。また、現行電源は電流型電源であるが、新たに開発する電源は電圧型電源とするので系統交流に起因する出力電流リップルを抑制できる。本報告ではJ-PARC主リングのための直線部四重極電磁石用NPCチョッパ試作ユニットの設計・製作を紹介する。