THP071 加速器技術/電磁石と電源 8月6日 小ホール 13:00 - 15:00 |
高温超伝導コイルを用いた高強度小型サイクロトロンの概念設計 |
Conceptual design of high-temperature superconducting cyclotrons |
○福田 光宏,植田 浩史,畑中 吉治,依田 哲彦,島田 健司,安田 裕介(大阪大学核物理研究センター),石山 敦士(早稲田大学),野口 聡(北海道大学),長屋 重夫,渡辺 智則(中部電力株式会社),三上 行雄,吉田 潤(住友重機械工業株式会社),横田 渉,倉島 俊,宮脇 信正,吉田 健一,柏木 啓次(日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所) |
○Mitsuhiro Fukuda, Hiroshi Ueda, Kichiji Hatanaka, Tetsuhiko Yorita, Kenji Shimada, Yusuke Yasuda (RCNP, Osaka University), Atsushi Ishiyama (Waseda University), Satoshi Noguchi (Hokkaido University), Shigeo Nagaya, Tomonori Watanabe (Chubu Electric Power Company), Yukio Mikami, Jun Yoshida (Sumitomo Heavy Industry), Watalu Yokota, Satoshi Kurashima, Nobumasa Miyawaki, Kenichi Yoshida, Hirotsugu Kashiwagi (Takasaki Advanced Radiation Research Institute, Japan Atomic Energy Agency) |
高温超伝導コイルを用いたスケルトン・サイクロトロンは、鉄材を極力用いずに空芯コイルの複合体によって磁場分布を形成する新しいタイプのサイクロトロンである。鉄心を用いないことから励磁の再現性が良く、シンクロトロンと同様に加速エネルギーの短時間切替も可能である。また、鉄心の温度変化に起因した磁場変動による加速位相の不安定要因を排除することができ、操作性や制御性にも優れた加速器として様々な分野への応用が期待される。加えて、空間的な自由度が高いことから、ビームの高強度化に必要とされる機器を入射部や引出部に配置し易いという利点もある。 現在、核医学診断・治療用のα線放出核種やPET・SPECT検査用核種の多量生成とBNCT用中性子源開発を目指したエネルギー可変型高強度小型高温超伝導スケルトン・サイクロトロンの概念設計を進めている。ビーム入射部には、従来方式のスパイラル型インフレクターを採用できるほか、リングサイクロトロンと同様の小型偏向・集束コイルを組み合わせた入射も可能であり、横方向の空間電荷効果への対策も講じている。また、中心領域に高調波加速電圧発生用電極を設置することにより、加速電圧の勾配を利用したビームバンチングも可能であり、縦方向の空間電荷効果への対応も可能である。本発表においては、複数の高温超伝導コイルを組み合わせた小型サイクロトロンの設計状況について報告する。 |