THP073  加速器技術/電磁石と電源  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
新しいJ-PARC RCS 入射水平シフトバンプ電磁石用パルス電源の開発
New Injection Bump Power Supply of the J-PARC RCS
 
○高柳 智弘(J-PARC/JAEA),植野 智晶(NAT),堀野 光喜,飛田 教光,林 直樹,金正 倫計,岡部 晃大(J-PARC/JAEA),入江 吉郎(KEK),谷 教夫(J-PARC/JAEA),内藤 伸吾,志井 春重,戸田 克則(ニチコン草津)
○Tomohiro Takayanagi (J-PARC/JAEA), Tomoaki Ueno (NAT), Koki Horino, Norimitsu Tobita, Naoki Hayashi, Michikazu Kinsho, Kota Okabe (J-PARC/JAEA), Yoshiro Irie (KEK), Norio Tani (J-PARC/JAEA), Shingo Naito, Harushige Shi, Katsunori Toda (Nichicon Kusatsu Corporation)
 
J-PARC 3GeV RCSのビーム入射システムにおける水平シフトバンプ電磁石用の新しい電源を開発し製作した。新しい電源は、LINACの入射ビームエネルギーが181MeVから 400MeVへとアップグレードをするのに合わせ、現在の2 倍以上の電源容量が必要になる。さらに、電磁石のセラミックダクトを覆うRFシールドのループコイルのインダクタンスと励磁場の共振によるビームロスを防ぐために、電流リップルノイズの低減が要求される。そこで、新しい電源の主回路方式に、これまでのIGBTの半導体スイッチを利用したチョッパ方式から、コンデンサの充放電を利用した転流方式を新たに採用することにした。コンデンサ転流方式は、台形波形 (バンプ波形) を出力する際に常時スイッチングを行うチョッパ方式と異なり、原理的にはバンプ波形の分岐点での 3 回のスイッチ操作で形成が可能である。出力試験の結果、スイッチングに起因するリプル電流の発生が大幅に低減されたことを確認した。さらに、バンプ電磁石に起因するビームロスが低減し、RCS の所期性能である 1MW 相当のビーム加速に成功した。本論文では、転流方式を採用した新シフトバンプ電源の特性について述べる。