THP086 加速器技術/ビーム診断・制御 8月6日 小ホール 13:00 - 15:00 |
表面プラズモン共鳴を介した電子バンチ長の非破壊計測の検討 (1) |
Non-distractive electron bunch measurement via the surface plasmon resonance 1 |
○岡安 雄一((公財) 高輝度光科学研究センター) |
○Yuichi Okayasu (JASRI) |
フェムト秒単一電子バンチについて、加速器真空系の外で測定系の放射線損傷を気にすることなく、非破壊・リアルタイムでバンチ長測定を実現する系の実現を目指す。 具体的には、真空ダクトに設けたメタマテリアル媒質と電子バンチ起因のクーロン場で表面プラズモン共鳴 (SPR) を真空ダクト外に励起させ、この SPR を EO サンプリング (EOS) 等で計測する測定系を開発する。目標とする電子バンチ長は 30 fs (FWHM) 程度である。 自由電子レーザー加速器の電子バンチ長については、従来ストリークカメラや RF ディフレクターを用いた破壊型計測が行われてきた。2000 年代初頭からは、GaP や ZnTe といった無機ポッケルス EO 結晶を用い、非破壊・リアルタイム計測が実現したが、無機ポッケルス EO 結晶特有の THz 場吸収特性により、時間分解能は 100 fs (FWHM) に制限された。2012 年には、数十 fs (FWHM) の時間分解能が見込まれる有機ポッケルス EO 結晶による EOS 計測が、報告者らにより世界で初めて実現したが、放射線損傷による時間分解能の低下が問題となった。 本報告では、現在検討が進められている SPR 基板構造の最適化評価、SPR 強度について報告し、SPR を効率的に導波し、検波するためのメタマテリアル構造の検討状況について報告する。 本研究は JSPS 科研費 15K13415 の助成を受けたものである。 |