THP136 加速器土木、放射線防護 8月6日 小ホール 13:00 - 15:00 |
短スパンオイル管傾斜計の試作 |
Trial experiment of an oil-tube tiltmeter |
○坪川 恒也(真英計測) |
○Tsuneya Tsubokawa (Shin_ei Keisoku) |
大型建造物基礎の傾斜測定を目的に、数メートルスパンの傾斜計を試作した。地殻変動を検出する傾斜計では、20m以上の長スパンの水管傾斜計が主流となっている。加速器設置等の大型建造物基台では、数メートルスパンでの傾斜量測定も必要で、このための短スパンの傾斜計を検討してみた。従来の水管傾斜計でも、この要求に応えられるが、水の蒸発や結露、電子部品の腐食などで、やや問題がある。水の替わりにオイルを使用すれば、これらの問題点は解決する。 真空容器(ポット)2基に、配管用ポートを設け、両者を連結パイプで接続し、オイルを注入して連結パイプ内部の半分まで満たし(ハーフフィルド)、オイル面を構成する。両端のオイルポットには、それぞれテフロン製のフロートを浮かべる。フロートの上下移動量を、各々のキャパシタンス変位センサーで検出する。この傾斜計は、低真空ながら排気できるため、大気圧の影響を受けないエアータイト構造となる。オイルの蒸発は無いので、長期間の安定性や保守の点で有利となる。両ポット間の距離(スパン)は、連結パイプ長を替えることで、適宜、選定できる。水管傾斜計と違い、光学部品への結露の問題が無い為、光干渉計の導入も可能となり、検出感度の精度向上が期待できる。 本オイル管傾斜計の開発に際し、東北大学研究推進本部の吉岡正和先生には、多大なご協力を頂いた。ここに感謝の意を表します。 |