WEOL02 ビーム診断・制御 8月5日 大ホール 15:30 - 15:50 |
J-PARC Main Ringのビーム位置モニタのゲイン較正 |
BEAM BASED GAIN CALIBRATION FOR BEAM POSITION MONITOR AT J-PARC Main Ring |
○久保木 浩功,外山 毅(KEK J-PARC),畠山 衆一郎(三菱電機システムサービス (株)),高野 淳平,手島 昌己(KEK J-PARC) |
○Hironori Kuboki, Takeshi Toyama (KEK J-PARC), Shuichiro Hatakeyama (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.), Junpei Takano, Masaki Tejima (KEK J-PARC) |
ビーム位置モニタ(Beam Position Monitor, BPM)は、シンクロトロン加速器において周回ビームの位置情報を得るのに不可欠な要素である。BPMによって得られた位置情報はビームの閉軌道歪み補正に用いられ、位置精度は補正精度に大きく影響する。ビーム位置算出に使用する信号は、BPM電極からの出力電圧を同軸ケーブルで伝送した後に処理回路内のADCでデジタル化された信号である。各電極における出力電圧とADC出力電圧の比例係数をゲインとすると、1) 100 m以上のケーブル伝送による信号伝達特性、2)処理回路、3) コネクタ等の接続部の接触抵抗、等の電極間個体差により、1台のBPMにおいても各電極のゲインは同一ではない。この電極間の相対的なゲインの違いを補正するため、実際のビームを用いて各電極のゲイン較正を行うBeam Based Gain Calibration (BBGC)が提案された [1]。BBGCはKEKBにおける四ボタン電極型BPMでは手法が確立されているが、J-PARC Main Ring (MR)で使用されている対角線カット型電極のBPMには同手法は適用できず、新たに解析手法を開発する必要があった。実際のビームで取得したマッピングデータを全最小二乗法を用いて解析するBBGC手法により、左右上下各電極のゲインを0.6〜0.8%の精度で決定した。本講演ではその解析結果について報告する。[1] M. Tejima et al., "Beam Based Gain Calibration of Beam Position Monitors at J-PARC MR", DIPAC2011, MOPD22 (2011). |