WEOLP04  合同セッション  8月5日 大ホール 11:30 - 12:00
ガスクラスターイオンビームのサイズ分布制御に向けた分析装置の開発
Development of Analyzer for Size Distribution Control of Gas Cluster Ion Beam
 
○平野 裕亮,畠山 暖太郎,高橋 一匡,佐々木 徹,菊池 崇志,原田 信弘(長岡技科大)
○Yusuke Hirano, Yuutarou Hatakeyama, Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, Takahi Kikuchi, Nobuhiro Harada (NUT)
 
近年の半導体技術ではナノレベルの加工技術が要求されており、表面加工・改質のためクラスターを用いた新しいイオンビーム技術が使用されている。中性のガスクラスターは高圧の気体をノズルから真空中へ噴出する際、ノズル内で断熱膨張によって気体が冷却されて相転移を引き起こすことで生成され、加速させた電子を衝突させて電離することでイオン化される。生成されたクラスター1個あたりに含まれる原子の数は、数個から数万個程度の幅広いサイズを持っており、材料へ照射を行う際はサイズ分布を適切に制御・選別する必要がある。経験的に得られているスケーリングで、クラスターの平均サイズを予測することは可能であるが、サイズ分布を予測することは困難である。そのため本研究では、気体の圧力や温度のパラメータおよびノズルの形状がクラスターのサイズ分布へ与える影響を調べ、その制御の可能性を検討するため、ガスクラスターイオンビームのサイズ分布を計測する分析装置の開発を行う。サイズ分布の測定には加速電圧を印加した際に、質量の違いによってイオン化した位置からファラデーカップまでの飛行時間が異なることを利用したTOF法からクラスターの質量分布を求め、質量分布から原子1個当たりの質量を除算することでサイズ分布を求める。本発表では、クラスタービーム利用の現状を紹介すると共に、分析装置を用いたサイズ分布の測定結果について報告する。