WEP001 電子加速器 8月5日 小ホール 13:00 - 15:00 |
次世代放射光リングのためのVibrating Wireによるマイクロメーターオー ダーでの磁石アライメント法の確立と課題 |
Development of Micrometer-order Magnet Alignment using Vibrating Wire for Next Generation Light Sources |
○深見 健司((公財)高輝度光科学研究センター) |
○Kenji Fukami (JASRI) |
現在、世界中で検討中の次世代型放射光リングでは、いづれも電磁石に高い設置精度が要求される。仮にミクロンオーダーでのアライメント技術が確立すれば、次世代リングの設計の自由度は大幅に広がる。Vibrating Wire Method(VWM)は、ビーム軸に沿って張ったワイヤに長さと張力で決まる共鳴周波数で通電し、ワイヤの振幅から磁場を評価する。磁場中心を測定しながら、同時に共通架台上の多極磁石群を一直線上に並べることで、磁場中心を移設する際の誤差が除かれる。我々はこれまで、磁場中心の測定分解能はサブミクロンオーダーに達することを示した。本発表では、測定精度、確度においてミクロンオーダーのアライメント法を確立するため克服すべき様々な課題を明示する。長さ3.6[m]、中央部の最大撓み0.325[mm]のワイヤについて、静電型水レベル計とワイヤ位置センサで垂直位置分布を測定した結果、懸垂曲線と中央部で4[μm]、全体で10[μm]の範囲内で一致した。共鳴周波数から最大撓みを計算できるので、共鳴周波数の測定だけでこのレベルでの補正は可能である。ワイヤのキンク、線密度の不均一性などを調査し、高効率、高精度補正法を示す。この他、バックグラウンド磁場の遮蔽、リング全体のアライメントのためのワイヤ位置の共通架台上への移設等の手法について言及する。 |