WEP008  ハドロン加速器  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
IFMIF/EVEDA原型加速器のシステムコミッショニングの現状
Present status of IFMIF/EVEDA prototype accelerator commissioning
 
○一宮 亮(原子力機構)
○Ryo Ichimiya (JAEA)
 
日欧共同で国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証工学設計活動(EVEDA)が2007年から進められている。IFMIFは大電流重水素イオンビームを発生させる加速器と中性子生成用のLiターゲットにて構成される。このうち加速器はビームエネルギーが40MeVと低いものの、ビーム電流が250mA(CW, 2ビームライン)の電流フロンティア加速器であり、ビームパワーは10MWに達する。設計製作技術を実証するため、原型加速器(9MeV/125mA/CW)を六ヶ所村の国際核融合エネルギー研究センターに段階的に建設し、システムとしての性能実証試験を順次実施している。加速器の主要コンポーネントは欧州側機関で製作され、日本側で設置・コミッショニング・運転を行う。既に入射器とそのビーム診断系は据付られ、100keV/120mA/CWの水素イオンビームを生成し、0.3πmm・mrad以下の規格化rmsエミッタンスを達成した。2015年度は入射器のコミッショニングを進めるとともに、高周波四重極加速器(RFQ)やRFQ用高周波源・高圧電源の設置を開始し、来年度以降は超伝導リナック(SRF)やビームダンプの設置が行われる予定である。このような大電流加速器では僅かなビームロスであっても加速器の損傷や放射化に直結するため、低エミッタンスを保ちつつビームハローも極力抑制しなければならない。そのためにはアライメントもコミッショニングでの重要な課題の一つである。本報告では、設置・コミッショニングの現状について述べる。