WEP033  加速器技術/粒子源  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
カーボンファラデーカップによる電子銃試験装置の改良とカソード暗電流測定装置の開発
Electron-Gun Test Equipment improved with Carbon Faraday Cup and Newly-Developed Measuring Instrument for Evaluating Dark Currents from Grid of Electron-Gun Cathode Assembly.
 
○馬込 保,小林 利明,谷内 努,鈴木 伸介,花木 博文(JASRI),鍛冶本 和幸,住友 博史,平山 英之,皆川 康幸,森里 邦彦(SES)
○Tamotsu Magome, Toshiaki Kobayashi, Tsutomu Taniuchi, Shinsuke Suzuki, Hirofumi Hanaki (JASRI), Kazuyuki Kajimoto, Hiroshi Sumitomo, Hideyuki Hirayama, Yasuyuki Minagawa, Kunihiko Morisato (SES)
 
近年SPring-8線型加速器では、短寿命のフィリングバターン運転への対応等を目的とし、最大出射電荷量がより大きい電子銃カードの新規開発を行ってきた。2013年度の前半には、実機にて新規電子銃カソードの試験運用を実施したが、暗電流が高い値を示し実用に至らなかった。また、2015年3月には従来型の電子銃カソードを使用しても暗電流が高い値を示す場合があることが発覚した。 これらを契機に電子銃の暗電流の対策が急務となったが、現在我々が所有する電子銃試験装置による暗電流測定は、1) 簡素な銅製のファラデーカップを利用しているため、ノイズ対策に乏しく、ファラデーカップでの後方散乱による電子損失も懸念される、2) 実機と同型の電子銃を使用しており、実機の環境を再現することはできるものの、電子銃内部の暗電流の発生源を切り分けできないという欠点があった。 このような不具合を解消することを目的に1) 電子銃試験装置のファラデーカップを電子の後方散乱係数の低いカーボンを材質とするものに交換し、また、2) 電子銃試験装置とは別に、カソードアセンブリのグリッドからの暗電流のみを測定するために、円板アノードをグリッドと向かい合う位置に設置した簡便な構造の測定器を開発した。本講演では、これらの装置と得られた結果について発表する。