WEP064 加速器技術/高周波源 8月5日 小ホール 13:00 - 15:00 |
高電圧用半導体素子のスイッチング特性 |
Switching Charcteristics of High Voltage Solid-State Switch |
○近藤 力,稲垣 隆宏,大竹 雄次(理研 放射光科学研究センター),米澤 喜幸,道越 久人,福田 憲司(産総研 先進パワーエレクトロニクス研究センター) |
○Chikara Kondo, Takahiro Inagaki, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center), Yoshiyuki Yonezawa, Hisato Michikoshi, Kenji Fukuda (AIST, Adv. Power Electron. Res.) |
X線自由電子レーザー施設SACLAは光源加速器であり、安定度の高いX線レーザーを低い運転中断頻度で供給することが要求されている。この線型加速器では大電力RF電源に約70台のモジュレータ電源を用いているが、高電圧パルスをサイラトロンによるスイッチングにより生成している。サイラトロンはカソードを有する放電管のため、2万時間以上の運転を経ると、タイミング変動やサージ増大によるトリガ回路の破損などのトラブルが頻発し、運転上の障害となっている。これらのトラブルを解消するため、サイラトロンを半導体スイッチに置き換えることを検討している。半導体スイッチの開発に先立ち、候補と成りうる高耐電圧の半導体素子である静電誘導型サイリスタ(SIT)、Si-IGBT、およびSiC-IGBTなどの半導体素子に対し、スイッチング速度やON抵抗などのパルス動作特性を測定した。測定の結果、いずれの素子もスイッチング速度は0.2―0.4μs程度を備えており、サイラトロン代替の可能性を持っていることが分かった。これらの素子を用いたサイラトロン代替デバイスには、必要な耐電圧や電流容量を得るために多数の素子で構成する必要がある。本発表では、各素子のパルス動作特性の測定結果や特徴、そしてデバイスとしての構成案について報告する。なお、本研究の一部は共同研究体「つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC)」の事業として行われた。 |