WEP085 加速器技術/ビーム診断・制御 8月5日 小ホール 13:00 - 15:00 |
JAEA AVFサイクロトロンの位相制限スリットによるビーム位相制限の評価 |
Evaluation of beam phase restriction with beam phase defining slit in the JAEA AVF cyclotron |
○宮脇 信正(原子力機構 高崎),福田 光宏(大阪大学 核物理研究センター),倉島 俊,柏木 啓次,奥村 進(原子力機構 高崎) |
○Nobumasa Miyawaki (Takasaki, JAEA), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.), Satoshi Kurashima, Hirotsugu Kashiwagi, Susumu Okumura (Takasaki, JAEA) |
JAEA AVFサイクロトロンでは、加速RFに対するビームの位相幅を狭くするため、加速位相差で生じるエネルギー利得差によって半径方向に広がるビームを、位相制限スリットで制限している。径方向に駆動できるこのスリットによってビーム位相を効率的に制限してビーム強度を大きく低下させないためには、スリット駆動軸上でのビームの位置と位相の相関関係を考慮する必要がある。そこで、初期加速の位相差によって生じる位相バンチングの発生条件を明らかにした実績のある幾何軌道解析によって、この相関関係を求めた。その結果、加速ハーモニックス(h=) 1の条件では、スリットで制限する位置に依存してビームの位相とその幅が変化するが、h=2の条件では、スリット位置への依存がほとんどない。これらの相関関係の解析による推定結果は、位相制限スリットの位置を移動させながら、サイクロトロン内部のシンチレーターで測定したビーム位相分布の結果と一致した。効率的なビーム位相の制限のためには加速ハーモニックス毎の相関関係に基づいたスリット位置設定が必要である。また、位相制限スリットの位置とビーム位相の相関関係は位相バンチングの発生条件と密接に関係することがわかった。 |