WEP088  加速器技術/ビーム診断・制御  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
SPring-8蓄積リングにおける縦方向Bunch-by-Bunchフィードバックの試験
Test of Longitudinal Bunch-by-Bunch Feedback at the SPring-8 Storage Ring
 
○正木 満博,中村 剛,小林 和生,藤田 貴弘((公財)高輝度光科学研究センター)
○Mitsuhiro Masaki, Takeshi Nakamura, Kazuo Kobayashi, Takahiro Fujita (JASRI/SPring-8)
 
SPring-8では次期計画(SPring-8-II)を見据えて、縦方向Bunch-by-Bunchフィードバック(LBBF)システムを開発している。次期計画では、電子ビームエネルギーを現状の8GeVから6GeVに下げることを想定しており、RF空洞の高次モード(TM011など)による縦方向バンチ間結合不安定性の蓄積電流閾値が100mA近くまで低下するため、LBBFの導入が検討されている。開発しているLBBFの性能評価のために、現状のSPring-8蓄積リングのビームエネルギーを6GeVに下げ、80mA以上蓄積した際に発生する縦方向不安定性の抑制試験を実施した。その結果、不安定性が成長しきる前の状態、すなわち誘起されたシンクロトロン振動が1ps以下の小振幅のときであれば、LBBFを稼動することによって不安定性が抑制されることを確認した。本発表では、LBBFシステムを構成している高効率縦方向キッカー、エネルギーキック駆動回路、フィードバックループ回路などのハードウェアを紹介するとともに、ビーム試験の結果(縦方向不安定性の成長率、LBBFシステムの性能指標を与えるフィードバックループ閉時のビーム振動減衰率など)を報告する。また、今後のSPring-8-IIに向けた性能改善への見通しについても報告する。