WEP094  加速器技術/ビーム診断・制御  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
SACLAでのハローモニタの改良
Improvement of halo monitor at SACLA
 
○大島 隆,前坂 比呂和(理研 SPring-8センター),松原 伸一(高輝度光化学研究センター),大竹 雄次(理研 SPring-8センター)
○Takashi Ohshima, Hirokazu Maesaka (RIKEN SPring-8 Center), Shinichi Matsubara (JASRI), Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center)
 
X線レーザー発生などに使用されるアンジュレータの永久磁石は4E14個(64uC)の高エネルギー電子ビームの照射によって約1%の磁力の低下が起こることが報告されている。X線自由電子レーザー施設SACLAでは、電子ビームのハロー成分の磁石への照射量を監視するためのモニタが設置されている。レーザー発生用ビームラインBL3に設置されたハローモニタには、電子ビームの誘起するウェイク場の影響を抑制するためにRFコンタクトが取り付けられている。このRFコンタクトが、真空槽に乾燥窒素を導入して大気開放する作業中に折れ曲がりビーム通路を塞ぐという事故が過去に発生した。また、ウェイク場のモニタ信号への影響のさらなる削減も望まれた。そこで、2014年に新規設置されたビームラインBL2で使用するハローモニタにおいては、RFコンタクトの構造を機械的に堅牢で、ウェイク場の抑制性能を向上させた設計とした。ビームを使った試験からBL2用ハローモニタの出力信号は4GHz以下の領域において、ウェイク場の信号強度はBL3の物よりも20dB以上抑制されていることが確認された。現在、BL3、BL2ともにアンジュレータのギャップに追従してハローモニタのギャップも動作させて、電子ビームのハロー成分の強度を約0.2fC rmsの分解能で常時監視し、60秒間の積分値が5pCを越えると制御室に音声警告を発報する仕組みがユーザー運転中に運用されている。