WEP102  加速器技術/加速器制御  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
マシンモデルを利用した加速器制御系の構築
Development of accelerator device control system using the machine model
 
○川瀬 雅人(J−PARCセンター),高橋 博樹(日本原子力研究開発機構)
○Masato Kawase (J-PARC Center), Hiroki Takahashi (JAEA)
 
従来の制御システムの設計及び開発は、機器製作終了後から機器仕様を確認することが多く、制御系設計が後回しになっていた。また、各機器独自の制御プロセスが構築されるため種類も多様になってしまい、メンテナンス性、拡張性及び柔軟性が欠けた制御システムになっていた。これらの課題を克服するため、すべての機器制御を統一化できる制御系の構築が必須と考え、加速器構成機器制御にマシンモデルという抽象化した状態を定義し、機器制御を共通化した。 各機器に共通する情報を抽出し、それらの情報から十分な時間をかけてモデリングを行い、マシンモデルと呼ぶ抽象化クラスを構築した。 マシンモデルにおいては、機器の動作などの情報をもとにして、各機器の状態を、抽象化された共通の状態(Run、Standby、Stop、Down、Emergency、Fault)にあてはめる。そして、機器がどの抽象化された状態であるかの判断、機器側の状態移行処理などは、機器側制御系にのみ組込こととする。 この様に、各機器固有の手続き型制御を上位アプリケーションではなく機器側制御系でのみ処理するインターフェースにすることにより、機器改造や拡張時に必要となる上位アプリケーションの修正の手間を大幅に低減できる。  本報告では、J-PARC RCSにおける機器の状態定義と、状態遷移を用いた制御系の開発について報告する。