WEP127  加速器応用、産業利用  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
炭素線治療用超伝導回転ガントリーの建設
Construction of a superconducting rotating-gantry for heavy-ion therapy
 
○岩田 佳之,野田 耕司,白井 敏之,藤田 敬,古川 卓司,水島 康太,原 洋介,皿谷 有一,丹正 亮平,松葉 俊哉,森 慎一郎,佐藤 眞二,正田 光一(放医研),藤本 哲也,新井 弘樹(加速器エンジニアリング),荻津 透(高エネ研),雨宮 尚之(京大工),長本 義史,折笠 朝史,高山 茂貴(東芝)
○Yoshiyuki Iwata, Koji Noda, Toshiyuki Shirai, Takashi Fujita, Takuji Furukawa, Kota Mizushima, Yosuke Hara, Yuichi Saraya, Ryouhei Tanshou, Shunya Matsuba, Shinichiro Mori, Shinji Sato, Koichi Shouda (NIRS), Tetsuya Fujimoto, Hiroki Arai (AEC), Toru Ogitsu (KEK), Naoyuki Amemiya (KUEE), Yoshifumi Nagamoto, Tomofumi Orikasa, Shigeki Takayama (Toshiba)
 
粒子線がん治療において、粒子ビームを患者に対して任意の角度から照射可能とさせる回転ガントリーは必要不可欠な装置であり、陽子線がん治療装置では標準採用されるに至っている。一方、炭素線がん治療においては、回転ガントリーに搭載される電磁石に必要な磁気剛性が陽子線用のそれに比べ約3倍高いことから、電磁石群やそれらを支える構造体のサイズや重量が非常に大型となる。現在、炭素線用回転ガントリーは世界で唯一、ハイデルベルグに建設され稼働中であるが、その回転部重量は600トンを超えると報告されている。我々は回転ガントリーの小型・軽量化のため、超伝導回転ガントリーの開発を進めてきた。この回転ガントリーでは、二極磁場と四極磁場が同時発生且つ、独立励磁可能な機能結合型超伝導電磁石を採用している。これら超伝導電磁石の採用により、回転ガントリーの大幅な小型・軽量化が実現されている。超伝導回転ガントリーの製作は完了し、現在、設置・組立工事が進められており、今秋よりビーム試験が開始される予定である。本発表では超伝導回転ガントリー開発の概要並びに、建設状況について紹介する。