WEP128  加速器応用、産業利用  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
コヒーレントチェレンコフ放射を用いたテラヘルツ透過イメージング
STUDY ON THZ IMAGING BY USING A COHERENT CHERENKOV RADIATION
 
○西田 万里子,水柿 将貴,鷲尾 方一(早稲田大学理工学術院総合研究所),坂上 和之(早稲田大学高等研究所),黒田 隆之助,平 義隆(産業技術総合研究所)
○Mariko Nishida, Masataka Mizugaki, Masakazu Washio (Waseda Research Institute for Science and Engineering), Kazuyuki Sakaue (Waseda Institute for Advanced Study), Ryunosuke Kuroda, Yoshitaka Taira (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)
 
テラヘルツ光は電波と光波の両者の領域にまたがっている,特殊な電磁波である。電波のように様々な物質を透過するとともに光波のように光学部品を用いて輸送することもでき,イメージングに適した光である。さらにテラヘルツ領域において固有の指紋スペクトルをもつ物質が存在し,麻薬の特定や爆発物の検知等の産業応用が期待されている。早稲田大学ではCs-TeフォトカソードRF-Gunを用いた高品質な電子ビーム生成およびそれを用いた応用研究をおこなっている。この電子ビームの応用としてコヒーレントなチェレンコフ放射(PMCCR)を発生し,高強度のテラヘルツ光を観測することに成功した。PMCCRの発生には電子ビームをRF-Deflectorによって傾け,ターゲットに照射している。このテラヘルツ光は非常に広帯域なテラヘルツパルスとして取り出すことができるため,イメージングへの利用とともに,フィルタなどを用いた周波数による透過率の違いなども観測できることが期待できる。テラヘルツイメージングとしては,走査イメージングやテラヘルツカメラによる直接イメージングなどを試みた。本発表では,早稲田大学におけるテラヘルツチェレンコフ放射生成の概要およびイメージング試験結果,ならびに今後の展望について報告する。