WEP133  加速器土木、放射線防護  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
SPring-8 RF電子銃試験施設アップグレードのための放射線線量角度分布評価
Evaluation of angular distribution of radiation doses to upgrade RF-gun test facility in SPring-8
 
○成山 展照(JASRI)
○Nobuteru Nariyama (JASRI)
 
RF電子銃試験加速器の最大加速エネルギーは、当初の30MeVより65MeV、85MeVと2013年に段階的に引き上げられ、今年には100MeVまで加速できるよう変更申請が行われた。同加速器は、1GeV入射加速器に隣接する長さ10 mほどの独立した線型加速器である。加速された電子はシケインを経て、直進あるいは30度方向に曲げられ、各ビームダンプに入射される。ビームダンプ後方のコンクリート厚は、1GeV入射加速器の遮蔽を兼ね290 cmあるため、評価線量の最大地点は、ビームが振られる側方の厚さ140 cmコンクリート外側になる。そこで、FLUKAモンテカルロコードを用いて、まず、30, 65, 100 MeV電子を鉄および鉛ターゲットに入射し、1mの距離におけるγ線、中性子線量当量を出射角度毎に計算した。ターゲット形状は、長さ2放射長(前方)あるいは10放射長(後方)の円柱とした。得られた分布は文献値とよく一致し、そのターゲットを用いて、側方に分岐したダンプ直前の電子損失を模擬し遮蔽体外の線量当量を計算したところ、局所遮蔽が無ければ線量は制限値を超過するが、厚さ5 cmの鉛が適切な場所に配置されていれば、十分低くなることを確認した。