WEP138  加速器土木、放射線防護  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
KEKB入射器における長基線レーザーアライメントシステムを利用したトンネル床面変動の動的測定システムの開発
Dynamical Measurement System of Tunnel Floor Motion with A Long Laser-Based Alignment System at the KEKB Injector Linac
 
○諏訪田 剛,柿原 和久,三川 勝彦,肥後 壽泰,佐藤 政則(KEK加速器),牛本 信二,水川 義和,工藤 拓弥(三菱電機システムサービス)
○Tsuyoshi Suwada, Kazuhisa Kakihara, Katsuhiko Mikawa, Toshiyasu Higo, Masanori Satoh (Accelerator Laboratory, KEK), Shinji Ushimoto, Yoshikazu Mizukawa, Takuya Kudou (MESS)
 
KEKB入射器では,次期計画SuperKEKBに向けた入射器増強とその高度化が進行中である. 高精度長基線レーザーアライメントシステムの開発は2009年度より開始され2013年3月に終了した. その後、本システムを用いた初期アライメントを精力的に実施し、2015年1月全セクターに渡る加速ユニットの初期アライメントをようやく終了した. 入射器における初期アライメントとはレーザーを長基線として加速ユニットを静的にアライメントするものである. 放射光運転を継続しながら約2年に渡り初期アライメントを実施してきた. この間加速ユニットの変位を継続して測定したところ、その変位が時間とともに次第に大きくなっていることが明らかになった. 本現象の主要因は地面の動的変動と考えられるが、地面変動と一口に言っても外気温、日照、気圧、地下水の変位、海洋潮汐、波浪等々、様々な要因が寄与する. 地面変動が入射器建屋を変形させ、さらにトンネルの床面変動を通して入射器全体が変位するという極めて複雑な過程が動的に作用する. 現在の静的な計測システムでは入射器アライメントの動的変位を計測し続けることは困難である. このような経緯から、2014年12月入射器加速ユニットの動的変位を連続計測するシステムを導入し、2015年1月よりトンネル床面変動の連続観測を本格的に開始した. 本学会ではハード及びソフトウエアを含む測定システム全体について報告する.